鼻呼吸のすすめ

いびき・歯ぎしりは健康の落とし穴
 
 舌は口唇を閉じていると、嚥下時(飲み込む時)の陰圧で 上顎の前歯部と口蓋部に吸い付いています。そのため、鼻と気管の気道が充分に広く保たれています。口を開けて(口呼吸)寝ると陰圧でなくなるため、前方に保たれた舌が支えを失い、舌根が気道を塞ぎます。すると、口からの空気の出入りに従って軟口蓋(のどちんこ)が震えて音がします。これがいびきです。
 この時高い枕を使用していますと、ますます舌根がのどに落ち込んで気管を塞ぎ、気道が狭まり、激しいいびきとなります。
 
 最も危険なのが、舌が完全に気道を塞いでしまった時に起こる
無呼吸症です。
無呼吸症は音はしません。気道が塞がれ、息が止まってしまうと、脳の血中の酸素不足で苦しくなり、かすかに目を覚まします。眠りが浅いと苦しさで目が覚め、舌根を動かして息を通しますが、3〜4時間の短時間睡眠を続けていると、目を覚まして息を継ぐ前に心臓が止まってしまいます。

 
過労によってあまりにも深く眠ってしまっているためで、これが過労死・突然死で、主に睡眠中に起こるのはこのためです。呼吸が止まれば心臓も止まるのは、心臓が呼吸筋に由来するからです。
 
 いびきをかく無呼吸の人の眠りは浅く、一晩で何十回となく目を覚まします。その上、口呼吸のため扁桃リンパ輪が常在菌の不顕性(はっきりしない)の感染で慢性の風邪症状になりますから、いくら寝ても疲労感が取れません。
 
いびきを防止するには、舌根が気道に落ち込まないように正しい鼻呼吸をしなければなりません。鼻呼吸のためには、充分な気道の確保が必要です。そのためには鼻腔と気管をつなぐ気道をほぼ一直線にする必要があります。まっすぐに寝ると、おとがい舌骨筋と口輪筋がバランスして、口も閉じやすくなります。

 ふわふわの羽毛のような頭の重さを均等に吸収する枕を使用し、上を向いて寝ればすやすやと眠れます。横向きで寝ますと、下側の鼻が詰まって口呼吸となります。
いびきの音は横向き寝で小さくなりますが、口呼吸の弊害は増大します。更に、咬み合わせが不均衡になるため、しばしば歯ぎしりを生じます。

 
歯ぎしりは呼吸筋肉由来の咀嚼筋群の痙攣ですから、寝ている時も、体を休めて疲労を回復させる副交感神経を活性化することができません。
 歯ぎしりは交感神経の緊張のため、白血球が顆粒球に分化し、免疫力を低下させます。
 

 歯ぎしりをする人は口呼吸習慣があるため、睡眠時に前歯部に吸い付いていた舌が離れて、舌根がのどに落ち込む結果、しばしば『無呼吸症』を合併します。
 
 
歯ぎしりの防止には、睡眠姿勢を正すことが重要です。完全に口を閉ざした状態の鼻呼吸とともに、気道を真っ直ぐに保つ上向き寝と、自重(自分の頭の重さ)によって顎や歯列をつぶさない低い枕が必須となります。寝る前にゆったりした呼吸体操を行い、副交感神経を養ってから安らかな睡眠に入りましょう。
 
鼻呼吸習慣は、扁桃リンパ輪の免疫活動が活性化され、免疫物質が唾液や涙にたくさん出てきて、体の細胞呼吸が活性化され、健康の維持・増進につながります。